第17章 小さな光
「りん、今日は起きていて平気なのか??」
縁側に腰掛けるりんに、邪見が訪ねた。
「うん!そんなに眠くないし、体調も良いの。」
「あまり無理はするなよ。りんに何かあった、わしが殺生丸様に殺されるわい。」
周りを行ったりして落ち着きの無い邪見に、りんはふふっと微笑んだ。
その頃、一人森の中を歩いていた殺生丸が、毛気配を感じ足を止めた。
すると、前から女が歩いてくる。
「殺生丸様。始めまして。」
殺生丸の前までくると、女は膝をついて頭を下げた。
「…誰だ。」
殺生丸が見下ろすと、女は顔を上げた。
「私は、殺生丸様と同じ犬妖怪の月姫(げつき)、と申します。」
月姫と名乗る女は、殺生丸を見て微笑んだ。
「何の用だ。」
月姫は真っ直ぐに殺生丸の瞳を見つめた。
「私を、殺生丸様の妻にして下さい。」