第17章 小さな光
「りんはまた眠りにつきました。」
邪見が、殺生丸の部屋を訪れた。
殺生丸は何も言わずに、外を眺めている。
(りんのやつ、どんどん衰弱していっている。生まれるまで、身体はもつのか…)
邪見は腕を組んで考え込んだ。
スッ…
「あれっ?!殺生丸様どちらへ?!」
殺生丸は、襖を開けると上空へ飛び立った。
ーーー
「………っ、」
「りん様っ」
日が沈んだ頃、りんは目を覚ました。
「……殺生丸様は…?」
葉月がゆっくりと、りんの身体を起こした。
「お出掛けになられました。」
「そう…」
りんは起き上がると、縁側に出て、池に写る月を眺めた。
ユラッ…
「えっ……」
一瞬、池に映る月に、女の人の顔が浮かんだ。
りんは目をこすってもう一度池を見ると、女の人は消えていた。
「りん様?どうかなされましたか?」
「う、ううん……気のせいかな。。」
「お身体が冷えてしまします。部屋に入りましょう。」