第17章 小さな光
「……懐妊??」
匙の言葉に、葉月は驚いて唖然とした。
「では、ご病気では…?」
「はい。りん様は、懐妊されています。ご病気ではありません。」
かごめは、ほっと胸を撫で下ろした。
「よかった…」
「しかし……」
匙はりんを見て表情を曇らせた。
「問題が、一つあります。」
「問題じゃと?!」
邪見が頭をさすりながら言った。
「はい。りん様と殺生丸様の間に出来る御子様は、半妖ということです。」
匙の言葉に、犬夜叉の耳はピクッと反応した。
「それは…りん様も殺生丸様もご承知の事です。」
葉月がすかさず言うと、匙は首を横に振った。
「半妖ということが問題なのではありません。りん様のお腹の中では、殺生丸様の血を受けづく御子様がいらっしゃるのです。人間のりん様の身体が、強大な妖力を持つ殺生丸様の御子様を身籠ることに、耐えられるかどうかが問題なのです。」
犬夜叉は腕を組んで、その場に座った。
「…俺の母親は、俺を産んですぐに死んだ。」
「……っ…」
犬夜叉の言葉に、部屋中が静まり返った。