第16章 冬の月
「…遅くなった。」
殺生丸はりんを抱きしめながら呟いた。
「ううん…。」
りんは頬を赤く染めて殺生丸の手をそっと握る。
グイッ…
「きゃっ……」
殺生丸はふわりとりんの身体を抱き上げた。
そして自分の部屋の布団にゆっくりと降ろす。
ふうっとロウソクの火を消すと、月明かりだけが二人を照らした。
「殺生丸様……」
りんは愛おしそうに、殺生丸の名前を囁いた。
「……んっ…ふうっ……」
そっと、二人の唇が重なる。
「んんっ……んっ…」
啄ばむようなキスを何度も繰り返され、りんの息があがる。
「……はぁっ」
唇が離れると、りんはトロンとした表情で殺生丸を見上げた。
赤く色づいた頬を殺生丸の手が触れる。
金色に光る瞳がまっすぐにりんに向けられた。
「んっ……んんんっ……」
先ほどより激しい口づけに、りんの吐息が漏れる。
息が苦しくなり、口を開けると殺生丸の舌が入り込んできた。
「んっ……ふうっ…」
りんの舌を絡め取り、濃厚な口付けが交わされる。
りんは幸せすぎて、瞳から涙が零れた。