第15章 罪を犯す女
「…動けるようになるまでもう暫くかかります。ここで養生して下さい。何かあれば、呼んでください。」
「…待て、あの妖怪は何処だ。」
「殺生丸様の事ですか?今は外に出てます。」
紅椿は辺りを見渡した。
「お前、あの妖怪とここで住んでるのか?」
「はい、」
紅椿は驚いたように表情を歪めた。
「…人間と、妖怪が共に生きてる、か。」
今まで険しい目付きをしていた紅椿がどこか切なそうな表情を見せた。
りんは彼女の前に座った。
「…紅椿さんは、人間がお嫌いですか?」
その言葉に、布団をギュッと握りしめた。
バサっ
すると突然、着物の合わせを開いて胸に受けた傷を見せた。
「この傷は父上から受けたものだ。」
「お父様から….?」