第15章 罪を犯す女
紅椿を床に寝かせた。肩から胸にかけての傷口は深く、手当てをしたがまだ微かに瘴気が漏れている。
「この方、この傷だけではなく身体中古傷だらけですね。」
葉月は紅椿の腕や脚を見て言った。
「…何があったんだろう…」
ギシ…
「あ、殺生丸様お出掛けで?!」
殺生丸は紅椿をじっと見つめると何も言わずに外へ出た。
「邪見もお供いたします。」
「ここに残れ、邪見。」
そう言って殺生丸は飛び立って行った。
「ああ…また置いてけぼり…」
邪見はふにゃふにゃと座り込んだ。
「邪見様、水を汲んできてください!」
「ええーい!どこの馬の骨ともわからぬ奴をなんで看病せねばならんのだー!!!」