第15章 罪を犯す女
「…邪見さま!そっち支えて!」
「ふんがー!!何故わしがこんなこと…!」
紅椿の身体を少しでも揺らす度に、傷口から血と瘴気が溢れ出す。
また傷口が開いちゃう…!
カサ…
すると、辺りに風が吹き上空に殺生丸の姿が見えた。
「…殺生丸さまっ!」
ストン…
殺生丸はゆっくりと降り立つと、紅椿を見つめた。
「貸せ。」
りんと邪見から、紅椿を受け取り抱き上げた。
「戻るぞ。」
殺生丸は紅椿を抱えて、また上空に飛び立った。
りんと邪見も阿吽に跨り、殺生丸の後を追う。
「殺生丸さまはやっぱり来くれた♪」
りんが嬉しそうに言う。
「あほう!いつでも殺生丸さまをた頼るでない!」
邪見が檄を飛ばしてもおかましなしのりん。
しばらくして屋敷に到着した。
「…殺生丸さま、お帰りなさいませ…??」
出迎えた家来達は、殺生丸が抱える女に驚いた表情をした。
「その人、酷い傷なの!」
殺生丸の後ろからりんが訴えた。
「分かりました。すぐに床へ運びます。」