第15章 罪を犯す女
「傷口を塞がなきゃっ…!!」
りんは持ってきた薬草をすり潰し、紅椿の傷口に塗った。
傷口を洗い、布を当てるとじんわりと血が滲む。
「…この傷、ただの傷ではないぞ。」
りんの手当てを見ながら邪見が言った。
「どういうこと?邪見さま。」
「この夥しい瘴気を見ろ!この傷を負わせた者はかなりの邪気を纏っているに違いない。殺生丸さまには及ばんが、それほどの妖力も持っている者の仕業じゃ!」
りんは邪見の言葉に心配そうに表情を歪める。
「屋敷に連れて行こう…!」
もう時期夜になる。
こんな森の中にいては、またいつ襲われるか分からない。
「しかし、どうやって運ぶのだ!阿吽一匹しかおらんのだぞ!」
「りんと邪見さまで紅椿さんを阿吽に載せればいいんだよ!」
りんの提案に邪見はため息をつく。