第15章 罪を犯す女
「…紅椿さーーん!!!」
今日紅椿と別れた辺りで、りんは阿吽の上から紅椿の名前を呼ぶ。
だんだん暗くなり始めた…はやくしなきゃっ…!
川のほとりや、林の中を探しても紅椿は見当たらない。
「おいりん!もう良いではないか!あの傷ではおそらく長くはない。どこかでもう死んおる…って、こら!りん!」
邪見の言葉を無視して、りんは阿吽から飛び降りた。
林の向こうから、何やら黒い煙のようなものが上がっているのが見える。
あれは……瘴気?!
「…はぁっはぁっ…いた…紅椿さん!!」
木の根元に横たわる紅椿を見つけた。
傷口は更に広がり、血と瘴気が絶え間無く放出されている。