第15章 罪を犯す女
「ふん、お前らこそ何者だ。向こうにいるやつは並の妖怪じゃないね。そんなやつがなんで人間なんか連れてんだ。」
紅椿の言葉に、りんの表情は歪んだ。
「りん、行くぞ。」
殺生丸は立ち上がった。
「待って…!あの、手当しないと…」
りんは紅椿を見た。
「りん!こんな無礼な女ほおっておけ!」
「でも……」
邪見は必死でりんの着物をひっぱった。
「甘っちょろいね。あたしは妖怪だよ。人間なんか簡単に殺せるんだよ。」
「……その傷は妖怪のあなたでも治るまで時間がかかりますよ。」
りんの言葉に紅椿は黙った。
傷口からは、瘴気の毒が溢れていた。