第15章 罪を犯す女
「・・・んっ」
「あ!気がついた!」
流されていたのは、女の妖怪のようだ。
黒い髪を一つに束ね、腰には剣が刺さっている。
「・・・誰だ、お前ら。」
女は起き上がると、りん達を睨みつけた。
「・・・えっ??」
起き上がった女の顔を見て、りんと邪見は驚いた。
「・・・神楽さまに、そっくり・・・」
女の顔つきは神楽と瓜二つだった。
神楽さま・・・
奈落の分身で心臓を奈落に握られていた。
風のように自由に生きることを望んでいたが、最後は奈落によって殺されてしまった。
最期の時は、殺生丸に看取られて風となり消えて行った。
殺生丸が、りんと邪見以外に唯一天生牙で救おうとした人物だった。
「・・神楽?誰だそれは。あたしの名は紅椿。」
殺生丸は、紅椿を見ると表情を歪めた。
「くそ・・またやられたか。」
女は着物の合わせを開くと、首から鎖骨にかけて酷い傷を覆っていた。
「酷い傷・・・!」
りんは紅椿に近寄った。
「おいりん!近寄るでない!貴様何者だ!!」