• テキストサイズ

人間と妖怪の恋物語

第2章 少しの間


りんは急いで外に出た。


「殺生丸様!!」

楓の家の前に、殺生丸が立っていた。


「おかえりなさい!殺生丸様!」

りんは嬉しそうにニコニコした。

すると、殺生丸がりんに着物を差し出した。


「えっ?これ、りんに?」


「そうだ。」

りんは受け取ってぎゅーっと抱きしめた。


「ありがとうっ!大切にするね!」


殺生丸は、黙ってそんなりんを眺めた。




村から少し離れたところで、殺生丸は木にもたれかかり、りんは花をつんでいた。


気持ちのいい風が吹いている。


「ふんふんふーん♪」

りんは花を摘んでは、殺生丸に見せた。



「りん。」


殺生丸がりんを呼んだ。

「なぁに?殺生丸様。」

りんは殺生丸に近寄って行った。


「お前はこの村で暮らせ。」


ドクン……

りんは持っていた花を落とした。


「ま、またお留守番?邪見様と…」


りんは、顔を歪ませた。


「いいや、お前一人でだ。」


殺生丸のことばに、りんは今にも泣きそうな表情をした。

/ 281ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp