第2章 少しの間
「りん、お前はここで待て。」
「嫌っ!!りんも一緒に行く!一緒に連れて行って殺生丸様!」
「どあほ!殺生丸様の言うことを聞け!」
邪見が駄々をこねるりんに怒鳴りつけた。
「…お前もだ、邪見。」
「えっ?!」
殺生丸の言葉に邪見は目をパチクリさせた。
一方りんは、ほっとした様子。
「よかったぁー、またいつものお留守番だね邪見様!」
早く帰ってきてね。殺生丸様…
りんは、いつか殺生丸が自分を旅に連れて行ってはくれない日を恐れていた。
そして、奈落との戦いが終わった数日後、りんは楓達の村にいた。
「………」
「りん、どうしたんじゃ?」
黙って足をぶらぶらさせているりんを見つけた楓が聞いた。
「殺生丸様が、迎えに来てくれない。」
「ふん、そういえばそうじゃな。」
ゴオオ!!
いきなり、外から風の音が聞こえた。
「殺生丸様だっ!!」