第14章 あなたとの未来を。
「…だから何じゃ?」
「な、なんだって…半妖なんですよ?大妖怪の血筋に、りんの人間の血が混ざってしまうんですよ?!それを嫌がる人はたくさんいる筈です!!生まれてくる子だって、可哀想…」
自分で言っていて悲しくなった。
人間と妖怪。
やっぱり、大妖怪の殺生丸に私なんかは釣り合わない……
殺生丸は、りんの言葉をきいてめを閉じた。
りんがそこまで考えていたとは…。
「……そのようなこと、最初から分かっていたのではないか?」
ご母堂は、りんを見つめた。
「それでも共に生きたいと思ったから、今殺生丸と屋敷に住んでいるのではないのか?お前はこのまま殺生丸と何と無く暮らし、殺生丸が他の女との子を作る事を認めるのか?」
りんは、目に涙を浮かべた。
「……殺生丸さまが、それを望むなら。」
嫌…
殺生丸さまが他の人と、なんて考えたくない。
でも、殺生丸さまはりんとの子供なんて欲しくないはず…
何と無くでも、一緒にいられるだけで私は幸せなのに…!
今にも泣きそうなりんの頬をご母堂がすっと包んだ。
「人間とは、意地っ張りじゃな。」
乱暴に、りんの涙を拭った。
「私は人間でも妖怪でも半妖でも良い。我が孫なら何だって愛おしい筈だ。必ず守りたいとも思う筈。殺生丸と良く話し合え。」
りんは顔を上げた。
殺生丸さまとりんの子…
そう、愛おしくない筈がない。
どんな事からも守りたい。
「もう泣くな。ほれ、迎えが来ておるぞ。」
「えっ?」
振り返ると、門の前に殺生丸が立っていた。