第14章 あなたとの未来を。
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「あ、あの…子を、ですか?」
りんは確かめるようにもう一度聞いた。
「そうじゃ。殺生丸は随分とそなたを大事にかくまっている。子の一人や二人、すぐに出来るであろう」
殺生丸の子供を産む…
そんなこと、考えた事もなかった。
いや、考えないようにしていた。
殺生丸とりんの間に出来る子供は半妖。
この一族は、人間を良く思わない者も多い。
前に、かごめから犬夜叉の生い立ちについて話を聞いたことがある。
人間でも、妖怪でもない。
曖昧な存在に、犬夜叉は昔から苦労していたと。
犬夜叉の存在を否定するわけではないが、やはり半妖の子を産むことに抵抗がある。
きっと、殺生丸さまだって……
「それは…無理かもしれないです。」
りんは小さな声で答えた。
「…何故じゃ?」
首を傾げるご母堂。
りんは拳を握りしめて言った。
「私と殺生丸さまの間に出来る子は、半妖です……」
りんがご母堂に言った時に、殺生丸が屋敷に着いた。
りんの言葉に、殺生丸は足を止めた。