第14章 あなたとの未来を。
ご母堂の屋敷にりんは降り立った。
「あの…葉月達は……」
「心配するな。すぐに目を覚ます。」
りんは俯きながらご母堂の後に着いていった。
「お前、前もこの屋敷で会ったな?」
ご母堂は椅子に腰掛けてりんに尋ねる。
「はい…冥道残月破のことを教わりに来た時に…」
「……あの時、殺生丸が連れていた子供か。人間の成長とは随分早いものだな。」
殺生丸同様、冷たい雰囲気を放つご母堂にりんは身体が震えた。
「あの屋敷で殺生丸と暮らしているのか?」
「あ…えっと、はい……」
「お前、殺生丸の何なのだ?」
ご母堂の言葉に、りんは止まった。
殺生丸さまのなに……
共に暮らし、夜の契りも交わした。
夫婦のような生活を送っているが、りんは殺生丸の妻ではない。
私たちの、関係……?
何も言わないりんに、ご母堂が口を開いた。
「まぁよい。殺生丸には我が一族の血を残してもらわねばならん。私が殺生丸の嫁をいつくか用意したのだ。」
「えっ……?」
ご母堂の言葉にりんは目を見開いた。
「…しかし、そなたのような存在がいるのならば良い。はよう子を設けるのだ。」
「ええっ??!」