第2章 少しの間
「また殺生丸が何か持ってきたのか?」
楓が、りんを覗き込んで聞いた。
「新しい着物です。」
りんは、殺生丸が持って来てくれた薄桃色の可愛らしい着物を大事そうに持っていた。
奈落との戦いが終わり、殺生丸の目的も一つ終わった。
りんは当然また殺生丸との旅を続けるつもりでいた。
それより少し前、りんは親兄弟を野党に殺され、また人里でも良い扱いは受けてこなかった。
そんな中、一度は失った命を殺生丸に救われ、一緒に始めた旅。
りんはそんな生活が気に入っていたが、毎回あることが不安だった。