第12章 教えて?
「………」
殺生丸は、りんをじっと見つめた。
ーーそんなに難しいことじゃなわよ。あのね………夜のことは、全部相手に任せたらいいのよ。本当に大好きな相手なら、相手を信じて全てを任せたらいいの。りんちゃんが殺生丸に教えて貰えばいいのよーー
りんは、自分で言った後で恥ずかし過ぎて顔を上げられなかった。
ドキドキと、心臓の音が鳴る。
きゅっと目をつむって殺生丸と言葉を待った。
「…無理するな。」
殺生丸はそう言うと、りんの身体を抱き上げた。
「え……殺生丸さまっ?」
布団にそっと降ろす。
「もう寝ろ。」
りんの頬を撫でて、部屋を出て行こうとした。
「無理なんか、してない…」
りんの目から涙が落ちた。
「殺生丸さまは、りんのことそういう風には見れないんだね…」
殺生丸は立ち止まり、りんを振り返る。
りんが寂しそうに微笑む。
「りんじゃ…だめなんだね…」
一つにくくられていた髪がパサッと落ちた。
りんでは、駄目だと…?
常に目の届く側に置いてきたい。
自分から離れることを恐れ、ここに呼んだ。
そんなりんでは、駄目な筈など無い。
殺生丸は、りんに近寄り力強く引き寄せた。
「…ひゃっ?」