第12章 教えて?
「珊瑚さまと弥勒さまは?」
「ああ、昨日から妖怪退治に出ておってな。」
りんは楓と家に入った。
「そうだったんですか。お一人で大変でしたね…」
「いや、かごめは安産だったからな。それより、殺生丸はどうした?一人で来たのか?」
楓はりんが昔のように殺生丸と共に旅をしていると思っていた。
「殺生丸さまは旅に出ています。私は、今は殺生丸さまのお屋敷に住んでいます。」
楓はりんの言葉に驚いた。
では、りんを連れて旅はしていないということか。
しかし、りんを自分の屋敷に住まわすとは。
殺生丸、りんを嫁にもらう気か?
「…楓さま?」
黙り込んで考える楓に、りんは不思議そうにした。
「あ、ああ。何でもない。元気ならばそれでいい。すぐに戻るのか?」
「いいえ。殺生丸さまもまだまだ帰って来ませんし、今日は泊めて下さい。」
「ああ、それは構わん。珊瑚も出ているし、色々と手伝っておくれ。」
その夜は、久しぶりに、楓と二人で夕飯を食べた。