第12章 教えて?
屋敷の外に出たのは久しぶりだった。
しばらくすると、楓の村が見えてきた。
「ガウゥ!!」
阿吽は、楓の家の前に降り立った。
「よいっしょ…」
りんは阿吽から降りると、楓の家を見上げた。
まだ、三月しか経ってないけどすごく久しぶりな感じがする…。
りんはドキドキしながら、そっと楓の家に入った。
「…楓さま??」
部屋には誰もいない。
あれ、どこに行ったのかな。
りんは外に出て辺りを見渡した。
かごめさまの家かな?
りんは、阿吽を引いてかごめの家に向かった。
すると、かごめの家が何やら騒がしかった。
「……かごめ、後少しじゃ!」
楓の声が聞こえて、りんは走った。
「楓さま!かごめさま!!」
部屋に入ったその時、
「……おぎゃー!!おぎゃー!!」
「……え?」
「…り、りん??!」
楓は、りんの声に驚いて振り返った。
家の中には、床に横たわるかごめとそこ周りに楓と犬夜叉、それに楓の腕の中には小さな赤ん坊が抱かれていた。
「りんじゃねぇか!」
「……りん、ちゃん…」
りんは目の前の光景に目をパチクリさせた。