第12章 教えて?
「いってらっしゃい!殺生丸さま。」
りんは屋敷の家来達と共に、殺生丸と邪見を見送った。
「殺生丸さま、また暫く帰って来られないのかな。」
殺生丸を見送ったりんが、寂しそうに言った。
「今回はそんなに長くはないと思います。」
りんの隣の葉月が言った。
殺生丸と共にこの屋敷で暮らし始めて三月。
殺生丸は以前のように邪見を連れて旅に出ていた。
しかし、りんは連れては行かない。
数日間屋敷を空けることはあっても、必ずりんの待つ屋敷に戻っていた。
「りんさま、今日は何をなさいましょう。」
葉月とはすっかり打ち解けて、友達のような関係になっていた。
「そうだなぁ……あ!あの、村へ行ってもいいかな??」
「…りんさまの故里ですね?ええ、構いません。阿吽を共に連れ行って下さい。」
「ありがとう!!」
りんはぱぁっと笑顔になった。
久しぶりに楓さまやかごめさま達に会える!!
あの日、村を出てから三月。
みんなにちゃんと殺生丸さまと暮らしてるって言いたい。
りんは支度をして、阿吽に乗った。
「阿吽!楓さまの村までお願いね。」
「ガウゥ!」
葉月に見送られ、りんも屋敷を後にした。