第11章 大好き
葉月が出て行って、広い部屋に一人きりになった。
いつもかごめ達と楓の家で暮らしていたから、こんなに広い部屋は落ち着かない。
りんは立ち上がり、庭に出た。
「……殺生丸さまのお部屋は何処だろう。」
縁側に腰掛けて、足をブラブラと揺らした。
やっと一緒にいられることになったのに、この広い屋敷では、殺生丸を見つけることも一苦労だ。
「おい、りん!」
すると、邪見がりんを呼んだ。
「邪見さま!!」
りんはぱぁっと笑顔になった。
「殺生丸さまがお呼びじゃ。部屋まで案兄するから着いて参れ。」
りんは嬉しそうに邪見に着いていった。