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人間と妖怪の恋物語

第9章 選択の時


りんも、ほっと胸を撫で下ろした。

「怪我はねぇか!!」

犬夜叉がかごめ達に近寄って言った。

「大丈夫。りんちゃんも大丈夫よね?!」

「はい。何ともありません!」

「っつたく!弥勒が礼を貰うのに手こずってるからこんなに帰りが遅くなったんだぜ!」

弥勒は米俵や野菜が沢山積まれた荷車を押して来た。


「まさかこんな騒ぎになっているとは。しかしりん。かなら弓が上達したな。」

弥勒はりんをまじまじと見て言った。

「本当に!りんちゃんすごかったわ!」

かごめや弥勒の言葉に、りんは頬を染めた。

「えへへ、役に立ててよかったです。」


ピクっ!

「……ん?」

犬夜叉が耳を立てて辺りを見渡した。

「犬夜叉?どうしたの?」

「いや…なんでもねぇ。」


この匂い、殺生丸…


森の中に、殺生丸の姿があった。

りんの無事を確認すると、その場を去ろうとした。

「殺生丸さま?りんに会わなくてよろしいので?」

立ち去ろうとする殺生丸に、邪見が聞いた。


「……」

殺生丸は何も言わずに立ち去った。



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