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人間と妖怪の恋物語

第9章 選択の時



「ただいま。」

「戻ったか。たくさん積んできたな。」

籠を見て楓が言った。

「色々考え事しながら積んでたら、こんなに。」

りんは籠を置くと、弓矢を取った。

「また練習に行くのか?」

「はい。暗くなる前には帰ります。」

楓はふとりんの姿を見て言った。

「りん、おぬし最近殺生丸に貰った着物を着ておらんな。」

りんは、自分の服装を見た。

「こっちの格好の方が、気が引き締まるんです。」

そういって、りんは出掛けて行った。

そんなりんに楓は最近悩んでいた。


「楓ばあちゃん、りんちゃんまた出て行ったわね?」

かごめが入って来て言った。

「ああ、また弓の練習に行ったよ。わしは最近あの子が心配だよ。」

「どうして?」

かごめは楓の前に腰を降ろした。

「殺生丸は、最近顔を見せない。その寂しさを紛らわすかのようにあの子は日に日に巫女として生きようとしているように見える。殺生丸から心が離れようとしている。」




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