第9章 選択の時
「でも、殺生丸はそれをりんちゃんに決めてほしくてここへ預けたんでしょ?りんちゃんが里での暮らしを選んで巫女になろうと思ったならいいんじゃないのかな?」
「…本心からそう願うのならいい。しかし、今のりんにはまだ迷いがある。巫女は迷ってはならない。殺生丸のことを考えたくないのか、貰った着物も最近着ておらん。」
棚の上に何枚も積まれた着物を見た。
殺生丸も、何故会いに来なくなったのか。
りんが強さを求め、妖怪退治をするようになった頃からか、パタリと来なくなった。
りんも、前はひと月顔を見せないと寂しがっていたのに、今は何も言わない。
楓には、二人の心に少しづつ溝が出来てるように思えた。