第8章 強くなりたい。
「…考えは変わらぬか。」
殺生丸はりんの目を見つめた。
「 はい…」
りんも、真剣な眼差しで答えた。
遊び半分などではない。
りんは、強くなりたいと心から思っていた。
自分が与えた着物ではなく、巫女の着物に身を包んでいるりん。
いつもより、とても凛々しく見えた。
「そうか。」
殺生丸は、立ち上がり空を見上げた。
「でも、自分の命を一番に考える。まだ、りんは全然駄目だから、まずは自分の命を守れるようにならないと…」
今日も結局、殺生丸に助けられた。
自分が情けなく思った。
りんは、そっと殺生丸に寄り添った。
「心配してくれて、ありがとう。」
腕に寄り添うりんに殺生丸は瞳を細めた。
考えは、変わらぬか…
ならば、試してみよ。
強さを求めるということを。