第8章 強くなりたい。
「逃がしはせぬ。」
玉藻御前が、阿吽の尻尾に海藻を巻きつけて引っ張った。
「ゴオオォッ…」
阿吽はバランスを崩した。
「きゃっ!」
りんは、真っ逆さまに落ちた。
「りん!!!!」
落ちる……殺生丸さま!!!!!!
フワッ…
りんの体が空中で受け止められた。
ゆっくり目を開けると、白く逞しい腕がりんの体を支えている。
「…殺生丸さまっ」
殺生丸はりんを地上に降ろした。
「殺生丸っ!」
「殺生丸さま!!」
犬夜叉と邪見が言った。
「なんと美しい男…!」
玉藻御前が殺生丸を見て身を乗り出した。
「欲しい…美しい男の魂!!!」
玉藻御前は殺生丸に海藻の鞭を放った。
ザンッ!!!
殺生丸は、海藻を薙ぎ払い、玉藻御前を睨みつけた。