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煌めく瞬間にとらわれ

第2章 第1章 入学



「花穂は部活どうすんの?」

「うーん……多分無理かなぁ?」

「あぁ、進学コースだもんね~。」

噂には聞いてたけど、乗車率150%。
なるべく女子が多い車両に乗り込む。

「すごいね~。3年持つかね……。」

「うーん……。」

一年生だから?満員電車のど真ん中に追いやられた。

コレが毎日かぁ……。
私も湘北行けば良かったかな?……なんてね。

「あんた、毎朝ダンナに送ってもらったら?チャリでさ!朝のトレーニングになんじゃない?」

「裕子……朝から私に死にかけろと?」

「は?」

「アイツ、寝ながらチャリ漕ぐヤツだよ?私なんか振り落とされても気付かれないし!」

「花穂ちっこいもんね~。あははは!」

そぅ。私は小さいのです。
楓は余裕で180㎝オーバー。一方私は、148㎝。
小さすぎて、制服の仕立てが他の子より1週間余分にかかったくらい。
楓との身長差、40㎝。
たまに、楓に本気で見失われる。

無言でキョロキョロし始めたら(無言はいつもの事だけど。)

「下!」

「……おぅ。」

こんな感じ。吉本新喜劇か!?

卒業記念に東京に遊びに行ったら、10回は見失われ、5回は迷子になった。

「あの男、目が覚めるのは授業が全部終わってからだもんね。」

「うん、今ごろ学校着いて速攻で寝てるね。」

「無理やり起こして、アイツにボコボコにされたヤツ何人いたっけ?」

「数え切れません。」

「アイツを無害に起こせるのは花穂だけよね?」

「うーん。」

楓は、とにかく寝てる。
中学の頃も、多分高校でもそーなるんだと思う。

授業中にずーっと寝てるから、成績も悪い。
試験前は何とか赤点を取らないように、私が一緒に勉強してた。

今年からどうするんだろ……。

中2の夏、授業中に寝続けてる楓に腹を立てたクラスメイトが無理やり起こして、ボコボコにされた。
口の中は切れて、右目は1週間腫れ続けてた。

この時、謝りに保護者は来なかった。
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