第3章 第2章 部活とすれ違い
あの日から2週間経って、ようやく塾にも慣れた日曜日。
今日は、塾から指定があった日だから塾へと向かう。
芙美子ちゃんも指定があって、同じ電車に乗る事になっていた。
準備が早目に出来たから、かなり時間に余裕があるけど家を出てのんびり歩いて行くことにした。
「今日は夕方には帰るから。」
お母さんにそう言って、ずっしりテキストの入ったリュックをからって家を出た。
―ガチャン―
自転車を出す音に振り返ると
「……楓……」
2週間振りに会う彼は、また少し逞しくなっていた。
「部活?」
楓は自転車にまたがったまま、黙って頷く。
目は合わせてくれない。
「そか、気を付けてね。行ってらっしゃい。」
何となく気まずくて、私はそのまま踵を返して駅への道に体を向けて歩きだした。
5、6歩歩いて、何となく後ろを振り返った。
「……ばか……」
楓はもういなかった。