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煌めく瞬間にとらわれ

第2章 第1章 入学



「花穂~っ!」

「あ、裕子。おはよう。」

最寄り駅から電車に乗っての通学。

中学から一緒の友達裕子と通うことになった。

「ダンナは学校行った?」

「ダンナって…………。」

「アイツが湘北ね~。あたしてっきり陵南とか翔陽とか海南大付属とかに行くもんだと思ってたよ?」

「う~ん……。私もそぅ思ってたよ?」

改札を抜けて、3番ホームへ。
ウチの学校と、陵南の生徒でごった返してる。

「だって、ここいらじゃ超有名人じゃん?翔陽とかは未だに諦めてないって噂もあるぐらいだよ?」

「あー……本人は我関せずじゃない?」

そう、アイツは中学の頃からバスケの世界では有名人で、進学も実は選り取りみどりだったりしてた。

でも、アイツが選んだのは特に強豪校って訳でもない湘北高校。
理由は……

家から一番近いから。

アイツらしいっちゃアイツらしいんだけど……

それから、実はこんなことも言ってた。

「強いチームから上に行ってもつまんねーだろ。」

何にも考えてないようで、実は良く考えてたりする。

「下から上に登ってこその実力だろ?」

そう、アイツが目指してんのはただの頂点じゃない。
茨の道を進んでこその頂点。
きっと、その頂点は私なんか追い付いて行けないんだろうなぁ……って思ったりしてる。

「花穂?電車来たよ。」

「あ……うん……。」

私はいつまで楓といれるんだろう……。
アイツがすごくなる度に、深刻に考えたりする。
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