第3章 第2章 部活とすれ違い
翌日、外は生憎の雨
天気の悪い日は、特に寝起きが悪い楓を起こすため更に30分早く楓の家に向かった。
―ピンポーン……―
まぁ、出ないけど……
「……?……閉まってる……」
楓は自分で戸締まりはしない。
不審に思って、我が家に預けられてる流川家のスペアキーで鍵を開ける。
―ガチャン……―
雨音の中に、鍵の開く音がやたらと響いた様に聞こえた。
そーっとドアを開けて、玄関に目を落とす。
「……ローファーがない……」
広めに作られてる楓の家の玄関には、いつもは楓の大きいスニーカーと登校用のローファーしかない。
「……楓……?」
楓の部屋へ続く階段を見上げながら、靴を脱いで家に上がる。
いつも、楓しかいないから静かな家だけど、今日は静寂がやたらと耳につく。
聞こえるのは、私の階段を上る足音と雨の音。
楓の部屋のドアの前で深呼吸をした。
「……何で緊張してんだろ……」
そっとドアノブに手をかけて、ドアを開く。
「……楓……?」
暗い部屋には、人の気配がない。
ベッドに目をやると、脱ぎ捨てられた部屋着とバスケの雑誌。
それからいつも聞いてる洋楽のCDの開けっぱなしのケース。
ふと、クローゼットに目をやると、制服もない。
「……学校……行ったんだ……」
虚脱感を感じながら、部屋着を畳んでクローゼットに置いて、ベッドをきれいにして、CDケースをちゃんと閉じて雑誌と一緒に机の上に置いた。
その日、私は初めて一人で登校した。