第3章 第2章 部活とすれ違い
いや、そぅだけどね?
ま……この人にそれを納得させるのは至難の技だ……
そんな彼女が私は大好きだから一緒にいるわけだし。
その日、ヒソヒソとこっちを見て話す人たちを避けながら、それにいきり立つ裕子を宥めながら何とか1日を凌いだ。
裕子大好きだけど……疲れたよ?……(笑)
何とか学校の1日を終えて、裕子を部活に送り出して(まだ怒ってたから、体育館まで送り届けました。)学校の最寄りの駅の隣に建つビルの5階にある「清海塾」へ向かった。
滞りなく、入塾手続きを済ませてその日は授業の見学と簡単な入塾の検査試験を受けて、クラスの説明を受けて帰ることになった。
いつもより2時間は遅い電車でも乗車率120%……
仕方なく、電車に乗り込んだ。
身長の低い私は、みるみるうちに人の波に呑み込まれ、自分が車両のどこら辺にいるのかも解らない状況だった。
(裕子がいるって、こんなに有り難い事だったんだ……)
と、呑気に考えてると
(……お酒臭い……)
どぅも、酔っ払いのサラリーマンさんが隣にいるようだ……
しかもこっち見てるし……
ニヤニヤ笑いながら、その人が
「おじょーちゃーん、かーわいいーねぇー。しょーがくせいかなぁー?」
って頭を撫でてきた。
「やめてください……」
「えー?なんだってー?よーしよーし。」
「やめてくださいっ……」
私の声なんか、電車の音にかき消されてる。
周りの人も気付いてるけど、見てないフリ
頭を撫でてたおじさんの手が、背中に下りてだんだんと下がってきてる
満員電車で、逃げることも出来ない。
「やめてっっ……」
涙で視界がぼやけてる。
おじさんの手が、腰の辺りからまた下がろうとした時だった。
「あれー?何でこんな時間に乗ってんの?」