第3章 第2章 部活とすれ違い
「私を連れて行く必要性はあるの!?」
「なかったらしない。」
まぁ、そーですけどね?特にあなたは!
リーチが長いから、あっという間に楓の部屋。
まぁ、見事に何もない部屋。
入って直ぐ南向きの窓、その脇に何故かダブルのベッド、ベッドの下にはバスケボールが2個転がってて、替えのエアジョーダンが一足ある。
机は一応あるけど、バスケの雑誌が置いてあるだけ。教科書はたぶん……絶対学校。
部屋に入るなり、そのままの(リビングからの)状態でベッドに横になった。
「楓!怪我してるから、今日は大人しくして?」
「……寝る。」
「うん、寝るのはわかったから、私は離して?」
「……このままでいい。」
楓はそう言って、私の腕枕で顔を胸に埋めて眠りにつく体制に入った。
「楓ってば!私の腕は取った方がいいと思うんだけど?ってか、私が怖いんだけど‼」
怪我した頭が腕の下にあるって言うのはちょっと怖い……
「ウルサイ……」
楓はそう言いながら、私の腕から頭を退けて、今度は私を抱え込む様に寝始めた。
サイズ的に、私は抱き枕かちょっと大きめのぬいぐるみ状態。
この体制になると、楓は早い。
ドラ○もんの、の○太くんより早いと思う。
私の知る限り、最短記録は15秒。
こうなると、私は1時間を諦めざるを得ない。
楓が寝入ってしまってから、そぉっと抜け出して家に帰るのがいつものパターン。
「…………すぅ。」
あ、寝たな。
今日は1時間かかんないかも。
楓は、明日から多分本式に部活に入ると思う。
楓の実力なら、湘北では即レギュラー間違いなしだろうなぁ。
高校でも、楓のプレイ姿観てたかったな……。
朝に会った仙道さんとのマンツーマンとかも楽しみだな。
どんなプレイする人だろう?裕子に詳しく聞かなきゃ。
個人的には、海南大付属のユニフォーム着た楓が観たかったかも……❤
でも、湘北で上にかけ上がっていく楓も楽しみだな……。
なんて考えてたら、そろそろ抜け時になったみたいだから、いつものように腕からすり抜けて楓に布団を被せ直した。
「おやすみなさい。」
そう言って、いつもの様に楓の家を後にした。