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血の争い【黒子のバスケ】

第5章 同盟


「無事か…?」

「良かった…。」

昴輝と彰が結紀の安否を確認してから、火神、黒子、青峰、高尾の姿を見て構える。この状況がマズイと思った3人は、退く事を決めて、その場から素早く離れていった。

だけど、まだ退かない高尾に対して昴輝は睨み付ける。今でも攻撃しそうな雰囲気であった。そこで、結紀が昴輝を止める。

「頭首、待って下さい。」

止められた昴輝は、眉間に皺を寄せ結紀を見る。不思議に思った彰は、構えるのを止める。だが、昴輝は構えたままだった。

「彼は…我の援護してくれました。」

「…なんだと!?」

結紀の一言で目を丸くさせる昴輝と彰。驚くのも当たり前だろう。何せ今もそうだが、お互いに敵なのだから。そして、結紀は高尾を庇うように前に立つ。

「…彼を見逃して貰えませんか?」

結紀が前に立ったことも、高尾を庇ったことで驚きを隠せない昴輝と彰。だが、昴輝は険しい表情をしたまま。

「だが―――」

「頭首っ!!!」

昴輝が言おうとした時に結紀が声を張り上げる。その事に驚いた昴輝は言葉を失い黙ってしまう。昴輝だけではない、彰もそうだ。結紀が声を張り上げるのは滅多にない。やがて、昴輝は諦めたかのように少々、困った表情を浮かべる。

結紀がその様子を見て、昴輝に微笑みながらお礼を言ったのだ。

「…ありがとうございます、頭首。」
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