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血の争い【黒子のバスケ】

第5章 同盟


黒子の行動を知った結紀は、これまで感じられなかった危機感を覚えた。このままでは、狼族だけではない、狸族にも正体がバレてしまう。今から避けようとしても遅い。その時だった。

「3対1って、随分と卑怯じゃねーか?」

声は頭上から聞こえてきた。それに気を取られた黒子、青峰、火神は声が聞こえてきた上を見上げる。それにつられて、結紀も見上げてしまう。そこには、矢を構えた高尾の姿があった。狙っていたのは黒子だった。

それに気づいた黒子は、すぐに結紀から離れる。青峰、火神は睨み付けるように高尾を見ているが、結紀は驚きのあまりに口を開けてしまう。

何故、鳥族である高尾は吸血鬼族の結紀を助けようという行動を取るのか疑問に思ってしまう。高尾は黒子に向かって矢を放つ。その放つ矢は、とても速かったが火神が黒子の前に立ち、鋭い爪で矢を粉々に斬ってしまう。

「あれ?狼族って、狸族と同盟を組んだのか~?」

高尾は僅かに笑いながら、火神に問い掛けていた。火神は、構えて高尾にも警戒をする。

「逆に聞くが…お前は吸血鬼と同盟でも組んだのか?」

「いや、組んでないぜ。だけど、ちょい訳ありでな~。」

高尾は、火神の質問に答えるが、理由は具体的には話さず、どこか誤魔化しているように感じだった。結紀自身でも、何故、高尾が助けるのか疑問になっていて仕方なかった。

「火神、そんなのはどうでもいい…。コイツも片付けようぜ。オレ達にとって敵と変わらねぇし。」

青峰は、そんな事を言ってから構えようとするが、遠くから駆け寄って来た昴輝と彰の姿を現した。
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