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血の争い【黒子のバスケ】

第5章 同盟


やがて、次の日。何も知らない結紀は、フードを被り1人で森林の中を歩いていた。昴輝と彰の姿はどこにもなかった。結紀は、どこかに向かっている様子でのんびりと歩いている。だが、その時、何かの気配に気付く。

足を止めて、辺りを見回す。見た目からにしては誰もいない。けど、結紀にとって、確かに"いる"と勘づく。気配で分かった。相手は狼族だと…。それも2人いるという事を…。

「出て来い、狼族。我達…吸血鬼族の領土に入って何の用?」

結紀は、気配する方向へと言い出す。だが、次の瞬間、1人の狼族が結紀の背後に回り、鋭い爪で斬り裂こうとした。その攻撃を瞬時に読み、結紀は体を捻り、避けて距離を取る。背後に回ったのは青峰だった。

「ちっ…。」

青峰は攻撃をかわされたことに、悔しかったのか舌打ちをする様子だった。結紀が構えようとしたが、それを許さないというばかりに、隠れていた火神が結紀に攻撃を仕掛ける。

またまた、結紀はその攻撃をかわして距離を取る。結紀は瞳孔を細め、昴輝、彰…と2人の名前を心の中で呼ぶ。結紀の背後からガサっ!と草むらが揺れる音が聞こえてきた。

思わず振り向いてしまう結紀。背後から現れたのは狸族の黒子だった。その姿を見た結紀は、驚いた。何よりも気配を全く感じられなかったからだ。あれだけ警戒していたのにも関わらずに、それでも気づかなかったのだから。

黒子は、手を伸ばし結紀のフードを掴もうとする。
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