第3章 血祭りの真似事
彰は、狐族である黄瀬と氷室を見ると瞳孔を細めた。現場の近くには彰がいた為、すぐに行動ができ一番最初に着いたのだ。
「…狐族…。」
氷室は僅かに苦しげな表所を見せていたがそれを落ち着かせる為に、静かに息を吐き出し黄瀬に言った。
「黄瀬君、一旦退こう。オレ達だけだと不利だ。」
「そうっスよね。了解っスよ。」
そして、氷室と黄瀬は白い霧を出してはその場から消え去った。消える時に、黄瀬と結紀の視線が合った。その時、黄瀬の口が僅かに動いていたことがわかった結紀。黄瀬が結紀に向かって言った事は…。
「…次、アンタと会ったら本気で殺すっスよ。」
物凄い殺気を黄瀬から感じとっていた結紀は、僅かに口元をつり上げていて笑っていた。
―――面白い奴だ…。だが、【模倣(コピー)】されても負けない。
結紀は、そんな事を思っていた。昴輝は、ヨロヨロとしながら立ち上がり結紀に近付く。そして、どこか心配そうな表情をしていた。
「…結紀、大丈夫か?狐族に吹き飛ばされただろ?」
「いや、我(わたし)は平気だよ。それよりも…昴輝は?かなりやられていたけど…。」
「大丈夫だ。すぐに治る。」
昴輝は、僅かに息を吐き出していた。だけど、どこか昴輝は痛そうに顔を僅かに歪ませていた。その時、ごめん…と微かな声で彰が2人に謝る。
何事だと結紀と昴輝は、目を丸くさせては不思議な表情をした。それに気が付いた彰は、弱々しく静かに言う。