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血の争い【黒子のバスケ】

第10章 魂の行方


「……吸血鬼族のやつに聞いた~」

彼の質問に、紫原は結紀の名前を言おうとしたが、何故か彼の中で名前を教えたくないと思い、別の言い方にした。紫原の言葉を聞いた赤司、虹村、白銀は、結紀だとすぐに分かった。

白銀は、はぁ~……と諦めたかのような深い溜息を付く。やがては、目を細めて言った。

「"鬼族"だ」
「聞いたことないんだけど~?」

白銀の口から出た言葉に、疑問を抱く紫原。

「それもその筈だ。"鬼族"は、頭首のみ聞かされている存在だ。周囲が知らないのは当然だろう」

赤司が真剣な瞳で言い出した。そのままの流れで、"鬼族"とは、どういう存在なのか語り始めた。



"鬼族"。それは、数百年前に存在した種族。だが、その存在は他の種族から恐れられていた存在。相手の骨の髄まで喰らい付くし、更に魂までも喰らう。

そして、喰らったモノを自分の肉体強化をしてしまうのだ。喰らえば喰らうほど、何故か寿命が伸びると言われている。だが、それに関しては嘘か本当か分からないのだ。

人々は、"鬼族"を恐れ多数の命を犠牲にしてでも、"鬼族"を封印したのだ。暗黙の了解で、その存在は代々頭首のみ語り継がれていくのであった。



笠松は、重たい口を開き結紀に問いかけた。

「お前は、"鬼族"の封印が解かれたと思うか?」

彼の言葉を聞いた結紀の眉がピクッと僅かに動いた。だが、さぁ~?と肩を竦めて短く答える。その反応からか、笠松は先程よりも真剣な瞳で、だとすると……と言葉を繋げる。

「お互いに戦争をしている暇ねぇぞ。"鬼族"をどうにかしねぇと――」
「喰いつくされる……って?」
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