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血の争い【黒子のバスケ】

第10章 魂の行方


「紫原 敦」

結紀の言葉を重ねる紫原。予想外の事に、え?と間抜けな声を出してしまう結紀。紫原は、めんどくさそうな表情を浮かべながら……。

「オレの名前~」

まさか名前を名乗られると思ってもいなかったのか、結紀は驚きの表情を浮かべるばかりであった。ついでとばかりに、紫原は、アンタは~?と彼女の名前を聞き出そうとする。

「……白戸 結紀」

諦めたかのように結紀は、彼に名乗る。紫原は、とくに表情を変えずに……。

「結紀ちんね~」
「なんか、余計な言葉がくっついている気がするんだけど」

思ずツッコミを入れてしまう結紀。だが、彼から気にしないで~とマイペースの雰囲気を出していた。その様子から結紀は、再び大きな溜息を1つ零す。

そして、紫原にある事を言い出した。

「この世界に8つの種族がいるが、忘れられた種族がいたとしたら、どうする?」

結紀の問いかけに、はぁ~!?と言いながら眉間に皺を寄せてしまう紫原。彼女からいきなり、そんな事を言われてしまえば、理解できないのは当たり前なのかもしれない。

「それって、どういう事~?」

理解できなからこそ、紫原は彼女に質問をしてしまう。その様子から結紀は、クスと笑い静かに言った。

「その答えは、紫原の頭首か鳳凰族の頭首が教えてくれるかもね」

教えない、というのが結紀の答えだ。彼女の言葉を聞いた紫原は不機嫌そうな表情を浮かべて言った。

「もういいし~!結紀ちんは、意地悪~!」

紫原の怒り方がどうも子供っぽかった。
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