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血の争い【黒子のバスケ】

第9章 記録と繁栄


日向は、目を瞑り先程の戦闘を思い出す。日向は、周りにいる鳥族を指示しながら、ある一定の高さで戦っていた。

この高さなら、狼族のジャンプ力では届かないだろうと思っていたが、予想外のことが起きたのだ。

「日向!後ろだっ!!」

伊月の荒々しい声が響き、日向は後ろを振り返る。そこにいたのは、狼族の火神の姿があった。彼の瞳には、日向を完全に捉えていた。

――馬鹿な!?この高さまで、飛ぶ奴がいるのか!?

日向は、驚きの表情を浮かべていた。攻撃が間に合わない。回避ができるか一か八かだ。日向は、思いっきり体を捻る。

捻ったお陰なのか、火神の鋭い爪の攻撃が当たらなかった。火神は、ちっと舌打ちをしていた。だが、それで終わりではなかった。

落ちていく火神に向かって、矢を向けるが、その瞬間目の前に青峰の姿が現れた。日向は、息を呑み込み後ろへ下がるが、彼の方が一歩早かった。

ザシュ!と嫌な音が響く。青峰の鋭い爪が完全に、日向の上半身に入る。彼の血が周囲に飛び散る。青峰に向かって何本かの矢が飛んでくる。

飛んできた方向を見れば、何本か矢を構えている緑間の姿があった。睨み付けるように青峰を見ていた。

「青峰……オマエは……!」
「お?やっとお出ましか、待ってたぜ。緑間!」

緑間の姿を見た青峰は、ニヤリと笑っていた。どうやら、青峰は彼を探していたようだ。伊月は、慌てて日向を支える。

「日向っ!」
「……大丈夫だ……。倒れるわけにはいかねぇ……。」

日向は、顔を歪めながらも痛みに耐える。頭首である日向が離れれば、戦力が落ちるのは目に見えている。だから、無闇に退いてはならない。だが、戦える程の余裕もない。
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