• テキストサイズ

血の争い【黒子のバスケ】

第9章 記録と繁栄


結紀は、近くにいた桜井に話しかける。

「何があったの?」
「あっ、結紀さん!」

振り返った彼の瞳には、涙が溜まっていた。やはり、何かあったらしい。桜井は、慌てた様子であったが説明し始めた。

「先程の戦闘で……日向さんが……。大怪我をされました。すみません!すみません!」
「……いや、謝らなくていいから……。」

何故か、桜井は彼女に頭をペコペコと必死に何度も下げ謝ってくる。その様子を見て、どこか険しい表情を浮かべるのと同時に、彼が必死に謝ってくることに、少々困る。

結紀は、静かに息を吐き出し隣に立っていた昴輝に指示を出す。

「昴輝、吸血鬼たちの怪我の確認をお願い。我は、日向の所に行ってくる。」
「……わかった。」

昴輝は、頷きすぐに行動に移る。彼を見送ってから結紀は、日向がいるであろう治療室に向かった。

治療室の扉を開けると、上半身が包帯で巻かれている日向の姿があった。隣には、伊月が立っていて、どうやら、治療が終わったみたいだ。

「……狼族にやられたのか?」
「あぁ。たくぅ、アイツらのスピードとジャンプ力半端じゃねぇ。」

日向の言葉に、違和感を覚えた結紀。彼の言うとおり、狼族のスピードは尋常じゃない。あのスピードに勝てるのは、恐らく鳳凰族ぐらいだろう。

だが、ジャンプ力は聞いたことなかった。まして、空中戦が得意な鳥族に、そこまでの距離が届くのか……。

「どういう事?狼族にそんなジャンプ力がある奴が居たってこと?」

結紀の質問に、日向は顔をしかめながらあぁ……と返事をする。
/ 178ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp