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血の争い【黒子のバスケ】

第9章 記録と繁栄


「とりあえず、帰ろう。鳥族達が気になる。」
「……分かった。」

狼族が去って行った方向を、数秒見て結紀と昴輝はその場を離れて行った。結紀の背中に生えていた右翼は、霧のようにいつの間にか消えていた。


戦闘を終えた鳥族と狼族。重傷を負った黒子の治療が始まった。その間に、今吉と霧渓が先程の戦闘について話し合っていた。

「今吉が捕獲作戦失敗するなんて、珍しいな。」
「今回は、流石に予想外が起きたんや〜。」

今吉の言葉に、霧渓は首を傾げる。今吉は、先程のことを彼に説明し始める。吸血鬼の頭首である結紀を一度、捕獲できたが、翼の影響で捕獲が出来なかったことを伝える。

「まさか、翼が生えてくるとは、思わないやろ?」
「……翼……。奇妙だな……。」

流石の霧渓でも、眉間に皺を寄せていた。それもそうだ。吸血鬼に翼が生えるなど、聞いたことがない。今は、考えても仕方ないと思ったのか、今吉が話を変える。

「それで、そっちはどうやった?」
「あぁ、鳥族には、それなりのダメージを与えた。暫くは、動けないだろう。」

今回、狼族の目的は援護である鳥族を攻撃すること。それなりの成果があったらしい。霧渓の話しによれば、鳥族の頭首である日向に大怪我を負わせたみたいだ。

火神と青峰の活躍によるものだ。その話を聞いた今吉、妖しい笑みを浮かばせていた。まるで、狙い通りだという感じだった。

「とりあえず、今はゆっくり休もうや~。今後の予定は、後々話し合おう。」
「わかった。あとで、来る。」

そう言っては、霧渓は部屋を出ていった。

結紀と昴輝は、急いで帰って来たが、どこか慌ただしい雰囲気であった。
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