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血の争い【黒子のバスケ】

第6章 頭首


――回復力は、流石に異常だぜ…。やはり、一撃で殺さねぇと、不利になるな…。

白銀はそんな事を考えていた。だが、動こうとすれば大量の血が流れ出す。むやみには動けないのだ。自分が思うように動けなくなっては、白銀は苛立たせる。いや、足に力が入らなくなったのだ。

結紀は爪を長く鋭くさせ白銀に徐々に近づく。その時だった。白銀はニヤリと笑う。結紀の足元から黒い炎が表れた。それに気づいた結紀はすぐに白銀から離れる。

「死神め…。」

「炎はお前にとって、厄介なようだな。」

白銀の言った通りに、今、被っているフードに燃え移ってしまえば、バレてしまう。斬られるよりも厄介だ。その時だ。遠くの方から昴輝達が来る気配がしてきた。その事に気付いた白銀は舌打ちをして紫原達に指示を出す。

「おい、お前ら撤退だ。あの数じゃ、こっちがやられるぞ!フード野郎、次の時には必ず魂を貰うからな。」

それだけを言い残し、白銀達は黒い霧を発生させてその場から消えた。その数秒後、昴輝や日向達が来たのだ。緑間の表情は、遅いっというばかりの苛立ちを見せていた。

「無事か?!」

昴輝よりも日向が声を出す。よほど、心配と分かる。無事を確認した日向達はどこかほっとしているように見えた。昴輝は結紀と彰に近づき、怪我の具合を聞く。

「2人、大丈夫か?」

「僕は大丈夫だよ。けど…。」

彰はどこか苦しそうな表情を浮かべて結紀の方を見る。昴輝は結紀の怪我の状態を見る。もう、見た目的には完治している。
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