第6章 頭首
「何するんだし〜!ミドチン!」
「オレは確実に撃つのだよ。覚悟するのだよ、紫原。」
再び、紫原と緑間がお互いにぶつかり合うのだった。高尾と根武谷の戦闘では、お互いの攻撃が一切当たらない。だが、高尾は根武谷と違って真剣な戦闘とどこか楽しそうにも見えた。
高尾の放つ矢は、根武谷が掴み折ってしまう。根武谷の力は物凄いと分かる。まして、放つ矢を掴むという見極める力もある。
「おら、どうした?」
「こりゃ、厄介だな〜。」
高尾の口調からにしてはどこか余裕そうにも見えるが、実際は余裕ではない。高尾の表情はどこか苦しそうに浮かべていたのだから。高尾は一度、高く飛び上がる。
死神は、空中戦に関しては苦手という情報が入っている。だから、高尾は一度、高く飛び上がり体勢を立て直そうとするのだ。やがて、すぐ一気に急降下をする。その様子から驚く根武谷。
そして、高尾は急降下のスピードを利用しては根武谷とすれ違う。その時に矢を放つ。高尾が放った矢は、根武谷に刺さり、また根武谷の拳が高尾の腕に当たる。
「がっ!」
「ぐっ!」
同士討ちと言ってもおかしくはない。根武谷の腹部には矢が刺さり、高尾の左腕はダランと力無く項垂れる。お互いに、重傷ではないかと思われる。だが、2人して、戦闘は続行された。
吹き飛ばされた結紀は、痛みを感じない為に平然と立っていた。白銀よりは丈夫ではないが。だがその様子から白銀は面白そうに立っていた。
「流石、フード野郎。そうこなくちゃ…面白くねぇ!」
そして、白銀と結紀はぶつかり合う。白銀は大鎌を横になぎ払うが、その行動を見切った結紀は避ける。