第3章 暴投
「ヒャハ!!沢村、お前いちいちうるせーんだよ!!」
「?!」
沢村くんに関節技をきめる倉持先輩。
私が知ってる倉持先輩とは違って、
子供みたいに笑っている姿を見て思わず笑みがこぼれる。
「な?やっぱこいつ元ヤンだろ(笑)」
耳元でお兄ちゃんが小声で言う。
倉持先輩はこっちをキッと睨むと「聞えてんぞ」と言う。
お兄ちゃんは沢村くんを連れてまた投球練習に行った。
そこには倉持先輩と私だけが残された。
「沢村くんと仲良いですね(笑)」
「あいつと部屋同じでいじめがいがあるっつーかさ(笑)」
制服姿しか見たことがなかったけれど、
ユニフォームの倉持先輩はすごくかっこいい。