第3章 暴投
「ばっ…!!真帆、避けろ!!」
「?」
お兄ちゃんの声を聞いてそちらを見るとボールが飛んできていた。
「きゃっ?!」
思わずぎゅっと目を閉じる。
しかし、くると思っていた痛みは来なかった。
その代わりにぎゅっとなにかに包まれた。
ゆっくりと目を開ける。
「……倉持先輩…?」
「って…」
私は倉持先輩に抱き寄せられていた。
「倉持!!」
「すんません!!!」
「ってーなバカ村ぁ!!」
どうやら抱き寄せた反対の手で
ボールをはじいたらしい。
「ケガしてねーか?」
「は、はいっ…。」
お兄ちゃんが「倉持を保健室に連れてってやってくれ」
と言い、もちろん私は倉持先輩と保健室に向かった。