第2章 ノート
あの日からふと気がつくと御幸の妹、
御幸真帆のことをなんとなく考えてしまっている。
今もぼーっと廊下を歩きながら…
「あ。」
廊下の先には真帆が大量のノートを運んでいる姿があった。
「わっ!」
真帆はあまり前が見えていないのか廊下に置いてある
掃除道具入れにぶつかった。
「大丈夫かよ」
俺はノートを半分より多く真帆からとった。
「く、倉持先輩!」
「お前なんでそんな持たされてんだよ(笑)」
「担任に任されちゃって…」
そう言って真帆は苦笑いをした。
「これ、どこ持ってくんだ?」
「あ、すぐそこです!持ってもらっちゃってすみません…」
「いーからいーから。」
ノートを教卓の上に乗せると真帆は
ありがとうございました。と丁寧にお辞儀をした。
俺はなんでもない顔をしたが、
内心ドキドキしていた。
「じゃーな」と手を振ると真帆も少し顔が赤かった気がした。多分俺の気のせいだ。