第15章 Ⓡ◆Boy meets Boy!(神田)
「イキそうか?」
「う、ん…出る…ッ」
掌の中で戦慄く熱いものを感じて、迫り来る絶頂感に雪は上擦った声で頷いた。
出口を求めてせり上がる熱が解放される。
「もう──…ッ」
高みへと意識が飛ばされる。
切なげな声でそれを悟った瞬間、上から包むようにして被さった神田の手が雪の責めの手を止めた。
何事かと問い掛ける暇もなく、その衝撃は体を走った。
「ぁ、あっ!?ひぁあ…ッ!」
体を突き走る快楽は、神田が引き抜いたアナルパールから。
づぷんづぷんと、後を絶たず一気に引き抜かれるその感覚は排泄にも似た奇妙な衝撃だった。
しかし確実に大きな波が雪の体を押し流す。
びくびくと戦慄く体に、抗うこともできずに上がる嬌声。
気付けば握り締めた陰茎の先から、真っ白な欲をぶちまけていた。
「っぁ…は…」
「派手にイったな」
雪の胸元まで飛んだ白濁のそれを指先で拭い、神田の口元が薄らと弧を描く。
「っ…触…らな…言…」
「後ろで気持ちよくさせてやるとも言っただろ」
涙を称えた弱々しい声を上げる雪に、その涙を拭い取るように恭しく神田の唇が涙袋に触れる。
「そ、な…わかんな…」
「お前がわからなくても俺が見えてるから大丈夫だ」
ひく、と震えて退く雪の顔を追いかけて唇を重ねる。
涙袋と、唇と、額と、頬と。
優しく唇で愛を向けながら、神田は目の前の組み敷く体を見下ろし目を細めた。
己の放った欲と汗と涙に混じる、恍惚の残る表情。
どろどろに蕩けきった雪の半身と、何かを求めるようにひくつく後蕾。
熱を保ったようなじんわりと赤みを帯びた肌も、辿々しく呂律の回らない声も。
目の前の雪を成すもの全てが、食べて下さいと言わんばかりに魅了してくる。
「下拵えは充分だな」
「…っ」
低い声で舌舐めずりをするかのように呟く神田の声に、ぞくりと雪は首筋の肌を粟立たせた。
見上げた先にかち合ったのは、捕食する獣の眼。