第15章 Ⓡ◆Boy meets Boy!(神田)
「ち、違…これは」
「何が違ぇんだよ。お前、まだ一度も勃起したことねぇんだろ。自分の体の仕組みも知らねぇ癖に、否定なんかでき」
「治まれ治まれ治まれ…!」
「おいコラ。呪文かそれ」
必死に熱を填めようとする雪の表情から見るに、余程認めたくないのだろう。
右の眉を訝しげに眉間に寄せると、神田は徐に雪のベルトへと手を掛けた。
「!? い、嫌だ!」
「何が」
「そんなところ触らないで…!」
「まだ触ってねぇだろ」
途端に激しく暴れる雪の体をどうにか片手で押さえ込んで、ベルトを緩めたズボンをずり下げる。
いつもなら抵抗しようともなんなく剥けていた雪の体は、今日ばかりは上手く進まなかった。
「ほ、本当に無理!嫌だって!見たくない!」
「あ?見慣れてんだろ、風呂場やトイレでとっくに」
「こ、こういう状態では見慣れてないから…!というか本当見たくないんだって!」
「じゃあ目でも逸しとけよ」
「嫌、だって、ば!」
「んの…っ往生際が悪ィな…!」
じたばたと暴れる下半身を片手では押さえ切れない。
馬乗りのまま押さえる手に力を込めても、ズボンを全て剥ぐことはできなかった。
どうやら本気で抵抗感があるらしい。
男として欲情する自分の体が嫌なのか、神田にはわかり兼ねたが譲る気は一切ない。
僅かにでも下げたズボンの下から覗く、素っ気ない色合いの男物の下着。
すっかり身に付けているものまで全て変わってしまった雪の、これまたすっかり変わった女にはないものを下着の上から鷲掴む。
びくりと体を硬直させる雪の顔を間近に覗き込んで、神田は瞳孔をかっ開いた。
「それ以上暴れんならこれ握り潰すぞ」
「!?(物理的圧力!)」
男としての危機感はあるらしく、一気に顔を青くすると雪は固まってしまった。
恐怖を感じて雪自身のものが萎える前にと、動かない隙を付いた神田の手が下着の下に滑り込む。
「あ…っ!?」
体を洗う以外の目的では一切触れたことがない過敏なそこを、他人の大きな手が包むように触れる。
思わずひくりと顎が上がり、雪の口からは悲鳴とも嬌声とも取れない音が漏れた。