第15章 Ⓡ◆Boy meets Boy!(神田)
「男の体ならお前よりよく知ってる。ヨくしてやるよ」
「っ嫌、だ…ッあ、ぅぁ…ッ」
「こうして擦られんの、気持ちいいだろ?」
「ぁ、あ…っ違…ッ」
摩擦音に紛れて伝わる、大きな掌に包み込まれて擦り上げられる感覚。
性感帯が広範囲で剥き出しにされているような所を刺激されて、雪は抗えなかった。
ふ、と口元を緩ませた神田の手が押さえ込んでいた体制を解いて、戸惑う雪の体を這う。
辛うじて守り続けていた下着まで下ろされると、外気に触れる感覚に腰がふるりと震える。
更に赤みが増す頬の熱を感じながら、雪は片腕で視覚を遮った。
「…本当に未使用だったんだな」
「っ見な…い、で」
男としての快楽には一度も手を伸ばさなかったのだろう。
皮も半ば被ったまま弱々しく主張する陰茎と等しく、弱々しい主張を口の端から零す。
快楽と羞恥と抵抗と哀愁。
様々な感情が入り混じり震える声で鳴く雪の姿に、神田の背筋にぞくりと何かが微かに走った。
身に覚えがある。
それは以前、彼女を抱く時に偶に感じていたものだ。
征服欲。
目の前の体を組み敷き、自分のものにしたいと感じる様。
「…見たくねぇなら、そのまま視覚を閉じてろ」
男の快楽も知らないこの体を、自分の手で染めてしまいたい。
その欲が生まれ出てしまった。
「痛くはしない。お前は身を任せていればいい」
つう、と内太腿に舌を這わす。
ぴくりと包んだ掌の中で震える陰茎が、不思議と愛しく見えた。
男色の気は一切なかったはずだ。
なのにそれが雪の快楽を主張するものだと思えば、抵抗なく顔を寄せられた。
ひちゃり、と何かが先端に触れる。
思わず視界を開けた雪の目に映ったのは、神田の咥内に飲み込まれる自身の姿だった。
「なん…っアッ」
感じたことのない快感だった。
柔らかく温かい咥内に包まれて、裏筋を押し舐め上げられれば腰が勝手に浮いた。